暴力を振るわれても、恐怖がない。
恐怖に陥るのは、虚無を感じた時だけ。
どんなに殴られようとも、
髪を掴まれようとも、
罵詈雑言を浴びせられようとも、
不感症に罹った私には無意味。
無を感じ、虚しい気持ちになった時に、
初めて恐怖を感じる。
じわじわと痛みを感じ始めた身体で、
散乱した服を眺める。
懐かしい、と思った。
憎悪と痛みだけが、残った。
きっと、一生続くのだろう。
私の感情や思考に関係なく、続くもの。
ただ、その事に虚しさを感じた。