「ごめんなさい。」
で、済むのならば、全てその一言で片付けたい。
殴りたいなら、殴ればいい。
傷付けたいなら、思う存分。
それで気が済むのならば、対話をするよりも、自分の本心を晒すよりも、なによりも気が楽なので、ぜひ。
理解が欲しいわけではなく、受容を求めているわけではなく、ただ、そういう人間がいたことだけを、頭の片隅に留めておいてくれたら、と思う。
しかし、それすらも烏滸がましい願望だということを分かっているつもりなので、何も言わず、「一般的な人」を精一杯やってみたつもりなのだけれど、仕事と違ってやはりボロが出た、という印象。
知らぬ間に蓄積していた疲労と、見て見ぬ振りをし続けた好意が重くのしかかった結果。
麻痺した感覚、機能を忘れた思考回路、ここ数ヶ月の自分に苛立ちが募るばかり。
誰かを傷つける事は、あまり好きではない。
だからこそ、他人と距離を置いて、化けの皮を被っていたはずなのに。
知らず知らずに剥がされていた化けの皮は、醜く、腐臭を放って、足元に落ちていた。