moji...

月に一度の文字並べ

無題

雨が、降る。

蝉が、鳴く。

夏が、来る。

 

冬の侘しさを紛らわすかのように、

夏は人と戯れる。

汗を掻き、痛みを欲しながら、

熱を帯びた道を歩く。

 

夏は、活気がある。

神輿、祭囃子、浴衣、花火。

 

すれ違う人の少し酸っぱい汗の匂い。

蒸したアスファルトの匂い。

不快なはずなのに、夏の訪れをどこかで喜んでいる。

 

1年前と似たようなことを繰り返しながら、私は今日も夏を待っている。