2019-07-24 無題 雨が、降る。 蝉が、鳴く。 夏が、来る。 冬の侘しさを紛らわすかのように、 夏は人と戯れる。 汗を掻き、痛みを欲しながら、 熱を帯びた道を歩く。 夏は、活気がある。 神輿、祭囃子、浴衣、花火。 すれ違う人の少し酸っぱい汗の匂い。 蒸したアスファルトの匂い。 不快なはずなのに、夏の訪れをどこかで喜んでいる。 1年前と似たようなことを繰り返しながら、私は今日も夏を待っている。